あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、新年早々、子供の勉強に対する意欲に関するお話です。
ご家庭でお子さまに対して「勉強しなさい」と言われる保護者様は多いかと存じますが、それは本当にお子さまのことを思って伝えていらっしゃいますでしょうか？
ご批判を覚悟のうえあえて申し上げますと、それは「保護者さまご自身の安心のため」におっしゃていらっしゃいませんでしょうか？
お子さまが勉強さえしていれば、とりあえず安心できますよね。しかし、勉強部屋にこもってはいるものの、集中してやらなければ、結局、知識は定着せず、学力・成績は伸びません。
すると次は「成績が上がらないのだから、もっと勉強しなさい」となるのが多くのパターンです。
すると子どもは、「自分は馬鹿だから、いくらやったってどうせできない。無駄だから、もう勉強なんてやらない」となりますとこれはもう最悪のパターンです。
塾でも、勉強はしているものの全く集中できずに、２時間で１単元しか進まないというような、非常に効率の悪い勉強をしている生徒がいます。
そのような生徒さんを見て思いますのは、「自宅でも勉強部屋にこもってはいても、全く集中せずに非常に遅いペースでやっているんだろうなあ」ということです。 テスト直前になっても、一向に学校のワークが終わらない生徒さんは、そのような傾向が強いとお考えください。
ですから、今年は単に「毎日１時間程度、決まった時間に机に向かおう」ということだけではなく、「学習密度を高めよう」ということもスローガンとして生徒に伝え続けます。
そして「勉強はやってはいるけど終わらない」と言い訳を言う生徒さんに対しては、厳しいようですが「頑張りましたが、お約束の納期に間に合いませんでした」は社会では通用しないことを伝え、「終わらないなら、何をどう改善すればいいのかを考えているのか」を問い続けます。
もちろん、改善案についてはアドバイスはしますが、最終的に考えて、決めるのは生徒さん自身です。冬休みの宿題が終わりそうもなく、親御さんがはらはらしながら、「宿題、終わったの？早くやりなさい」というのも子どものためになりません。1月8日の提出期限に自分ができる最高のレベルで仕上げて出すためにどのように進めていくべきかを子ども自身が考えて行動しないと成長がありません。間に合わなくて恥をかいたり、成績を下げられないと本当の意味で気が付くことができない生徒さんもいると思います。そのような生徒さんにとっては、「宿題をやりなさい」と言い続ける親御さんは、もしかしたらお子さまの成長の阻害要因になっているとさえ言えるのです。
話を元に戻しますが、振り返ってみますと、私自身は「勉強しなさい」と言われて、気分よく、前向きな気持ちで勉強できたことは一度もありませんでした。
保護者の皆さまは、学生時代、いかがでしたでしょうか？おそらく、私と同じではなかったでしょうか。
中３生は私立入試まで２週間、県立まで２カ月弱となりましたが、全員が塾が空いている時間はずっと塾で、しかも非常に集中した状態で勉強しています。生徒は「勉強しなければいけない」ことはもともとわかっていますし、さすがに入試直前になれば誰しも真剣に勉強するものです。周りの友達もみんな真剣に勉強し始めて、自分もそろそろ本気でやらないとまずいかも・・・と思ったからでしょう。
そこでひとつご提案でございますが、保護者様も子供と一緒に勉強するというのはいかがでしょうか。
これだけ変化の激しい時代になり、私たち親世代も、社会人とは言え、いや、社会人だからこそ常に勉強して新しいことを吸収していかないとお給料を稼ぐのが難しい時代になっています。
ですから、子どもと同様、毎日時間を決めて、テレビを消して勉強や読書するのです。見たいテレビと勉強する時間が重なった時には、録画をしておいて後で見る。スマホもいじらない。
どうしても生中継で見たい番組があるときは、勉強の時間をずらして必ず時間は確保する。そういうことを保護者様ご自身の行動で示すということです。
もちろん、毎日、完璧にやり続けることが難しい場合もあるかもしれませんが、できる限り努力する姿勢を子どもに対して見せるのです。
自分の子どもとは言え、他人を変えることは難しいものです。ならば、まずは自分が変わってみてはいかがでしょうか。どうぞ、ご検討なさってみてください。
次回は、「大人の社会の様子を伝えてみませんか？」というテーマでお届けします。
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